椿ノ華



「弟さんとはあまり似てないのね?」

「性格が?見た目が?」


壱の部屋は、青と白を基調としたシンプルな部屋だった。


「雰囲気はやっぱり似てるなって思ったけど…」

「ああ、まあ見た目は似てないだろうね。僕は養子だし」

「…え?」


さらりと述べられた言葉に目を見張った。


「成瀬川の夫婦はね、奥さんの不妊で長年子供が出来なくて、

成瀬川の遠い親戚の子だった僕を引き取ったんだよ」

「…そう、だったの」

「引き取られたのは4歳の時。僕も僕で、

ある程度の大人の事情は分かってたから…複雑だったな」



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