椿ノ華
「私もね、孫に援助くらいしてやりたいと言ったんだが。
頑固な女性だからね、断られてしまったよ。
それでも何とか認知だけさせて貰って、
無理矢理に毎月養育費を送っていたんだが…」
「え?」
…そういえば。
お母さんが持ってた私の名前の通帳に、莫大な金額が…
「…使わないで、貯めてたみたいです。
通帳に書いてる金額見てびっくりしましたから」
「ああ、桜さんらしいな。
君の結婚資金にでもしたかったんじゃないか?」
「…そうかも、しれません…」
「椿は美人だから、きっと綺麗な花嫁さんになるわね」
「いつかお母さんにウェディングドレス姿、見せてね」
と、よく言われて困っていたのを思い出した。