椿ノ華



「…ええ、おそらく」

「…そう、ですか…」

…会話の広げ方が分からない…

「椿さんは桜さんにも啓志にも似ているな」


見兼ねたのであろう啓一郎が助け舟を出す。


「そう、ですか…?」

「ああ。なあ、葵」


葵は伏せていた目線を椿へと向ける。


「…そうですね。所々に面影が見えます。

私は、主に写真の父しか記憶にありませんが」

あ…

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