椿ノ華
「ところで、お祖父様」
「何だ?」
「次のパーティーには、椿も出席するのでしょうか」
食事が運ばれ、優雅に食べる二人に戸惑いながら、
少しずつ食べていた最中。
「…パーティー?」
「ああ、そうだな。
椿、お前も葵に着いて出席しなさい」
「え…」
「今まで離れて暮らしていた妹、
として紹介したって誰も怪しまないよ」
確かに、説明としては合ってるけど…
「最初は白い目で見られるかもしれないが、
葵が着いていれば平気だろう」
「…出なきゃだめですか…?」
椿の目はきっと、不安に満ちていただろう。
「頼めないかな?」
そう言われては、頷くしかなかった。