椿ノ華



「彼女の葵への執着心は凄いからね、君も気を付けて」

「あは…はい」


それは嫌って程分かっていた。


「まあ、葵が守ってくれるだろうけど…」


そう言った壱は、不意に椿の髪に触れ。


「…え」


そっと唇を落とした。


「…はは、ごめんね?綺麗な髪だからさ」

「…い、いえ…」

「綺麗な簪だね」

「…兄からのプレゼントで」

「はは、ますますシスコンだ」



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