椿ノ華



「成程…葵も可愛くて仕方ないんだろうな」

「え?」

「こんなに美しい妹さんとの再会でしょ?

パーティーにまで連れてきてさ」


壱はちらりと、会場の中へ視線を向けた。


「気付いてる?さっきから葵さ、僕達の様子伺ってるの」

「え…」

「僕が君に手を出さないか心配なんだね」


くすりと笑みを零し、椿に近寄る。


「あの…?」

「葵って意外とシスコンなんだね」

「…婚約者さんから目を逸らしたいだけかと思うんですけど…」

「はは、まあそういう事にしておこうか」



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