私と彼女の関係

信頼

やがて、一台の車が近づいてきた。
間違いなく、拓也の車だ。
車は、私達の車とは、離れた所に止まった。
美幸はどうしていいか、解らない様子で、
私の陰に隠れた。

いつだってそう。
彼女は女の子だった。
何か決断を強いられる時は、
私任せだ。
可愛い子ぶって、
私の後ろから、呟く。
「うな決めてねっ。」
私は盾となり、
彼女を守る役目だ。
心地良かった。
彼女の信頼を強く感じられた。
それに、彼女を動かすこともできた。
責任を任せられるぶん、
彼女を操作できた。

Give and Take
私達の親友関係は、特別だ。
重い絆がある。

出てきたのは、拓也一人だった。
拓也は、真二には訳を話さず、
ここまで連れて来たのだという。
真二も焦っているようで、
車から降りてくる気配はない。
気が短い私は、
ずかずかと拓也の車に乗り込み、
美幸の気持ちを素直に伝えた。
「少しでぃぃし、美幸と話してゃってぇ…」

真二は少し間を置いたが、
腹をくくったらしく、
車から降り、美幸の車に乗り込んだ。
ギコチナいが、二人で話しを始めた。

良かった。
これで、美幸の曇りは晴れる。
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