私と彼女の関係
全てが嘘。
真二は美幸の家を知っているし、
連絡が取りたいなら
いつでも会えた。
でも、美幸にとっては、
最高の結果には間違いなかった。
じゃぁ、どうして
私と美幸の関係が、潰れるのか。
現にこうして、話しているのに、
何が問題なのか、解らなかった。
問題は例の盗撮にあった。

美幸が、その事を問い詰めると
そんな事実はない。
自分がでまかせを流し、
美幸と真二の仲をぶち壊したと言う。

矛盾だらけで、話にもならなかった。
私がわざわざ盗撮事件を作っただって!?
真二には飽きれ返った。
美幸も、真二の嘘に惑わされ、
私に疑いの目を向けていた。
一時間もの間、真二は美幸を支配していた。
美幸は、真二との仲が戻るのが
嬉しくなり、
真実と嘘の判断が、出来ないでいた。

私は、拓也を守る為、
拓也から聞いたことは伏せていた。
こうなっては仕方がない。
拓也よりも美幸が大事だ。
美幸には真実を話し、
事実、拓也の目に入っていることを話した。
浮ついていた盗撮事件の真相も、
彼女の中で繋がったらしく、
私への疑いは晴れた様子だった。

でも私は、この時の
大きな矛盾点には気付いていなかった。
…気付けなかった。
…気付ける訳が無い。
友を信じるてるこそ、
"本当の真実"
には結びつかなかった。

美幸が私に疑いの目を向けた時点で、
私は気付くべきだった。
気付いていれば、
私は、こんな嫌な思いしなくて済んだかも知れない。
私と美幸の仲だって、
今とは違う未来があったかもしれない。

後悔先に立たず…。
重く今の私に圧し掛かる…。
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