古城の姫君
月夜の下で
 翌日。

 クロークスは目を覚ますと、窓の外を見ました。空は晴れていて、雲ひとつありません。
 今夜、カルミアに会えると思うと、胸が高鳴りました。

 その一方で、ジンジャーはデートの当日になっても、クロークスを引きとめようとしました。

「私はあなたの警護役も兼(か)ねているんです。もしクロークスさまに何かあったら、私の責任なんですよ」

 と、クロークスのデートについていくと言いだしました。

「頼むからこのトレーラーハウスをどっか遠くにやってよ。二人っきりにさせてほしいんだよ。何かあったら剣があるし。なあ、頼むよ。今日だけでいいから」

 クロークスに説得され、仕方がなくという感じで、ジンジャーはトレーラーハウスをアプリコット城の前から移動させ、だいぶ離れたところにとめました。


 夜の9時10分前。

 アプリコット城の前で、クロークスはカルミアが来るのを待ちました。
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