古城の姫君
再会
 8日目の朝。

 クロークスは宮殿で、ひたすら人が来るのを待ちました。
 
 一日戦争の準備をしないだけでも、かなりのハンデになるとわかった上で、この国を守りたいと思う人が来るのを信じ、待ち続けました。

 クロークスのあまりに必死な様子に、カンナは心配になり、
「少し休んだら」
 と声をかけました。

「そういうわけにはいかないよ。僕はこの国の人を守らなきゃいけないんだから」

「でも疲れてるでしょ。きっと来るよ。だから少し横になって」

 言われたクロークスは、一度は自分の部屋に戻ったものの、一時間も経たないうちに再び宮殿の窓から外を見下ろして、魔法を使える人が来るのを待っていました。
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