明日ここにいる君へ
高校生活に、ただ今何ひとつ問題なし。
面倒臭いことにはかかわりさえしなければ……
当たり障りなく毎日は続いていく。
それでも。まあ…、時には不可抗力というものが存在しまして……。
翌日――…
「つーか、ゆーじん様のバスケをする姿が見たい!」
それは…
突然やって来る。
「…へぇ。いいんじゃない?きっといっぱい見学者いるだろうし、紛れちゃえば問題ナシっ。」
登坂悠仁は…バスケ部所属(らしい)。
「小テスト、今日返ってくるでしょう?無事にパスしてたら、放課後体育館に付き合ってよ!」
………。
えー……。私?
やだな、面倒臭い。
「……う〜ん。仕方ないなぁ…。」
ココロと言葉は裏腹。
「七世ぇ~ッ。」
「……はいはい。」
本日2度目のハグは……
シンの背中で、苦虫を噛みつぶしたかのような顔をしていたに違いない。
ふと顔を上げた視線の先で、
登坂悠仁と目が合う。
それから数秒間。
逸らされることのない真っ直ぐな瞳。
何でこんな時ばっかり…って思うのは、いかに自分が腹黒い人生を送っているのかを露呈しているみたいで……。
急激に、恥ずかしくなった。
そんな私の思惑に気づいたかはわからないけれど、
神と崇められる悠仁様には見透かされてしまったのか……
少しだけ笑みを浮かべて。
ゆっくりと……
視線は逸れていった。