虹色センテンス

星空の映る瞳は深い海のような紺色

夏祭りの日。

雄太はアタシより早く来ていた。

「何食べる??あ、飲む?!それとも踊る?!?それとも…」

雄太の口からドンドン言葉が飛んでくる。
そのお陰で緊張が解れた。

「あ!!カキ氷発見ーっ!!!」

行こうぜ、と雄太はずっとはしゃいでいた。
可愛いなぁ、とか思ったんだろうな。

「何味にする?いちご?メロン?レモン?ブルーハワイ?」

さっきと同じように言葉が飛んできた。

「雄太は?」

「俺はー、儚空が食べないやつ食べて、後で儚空のやつ貰うの!」

「んーじゃあ苺!!」

「じゃあ買ってくるなー!待ってて」

人ごみをひょいひょいとかき分けて、いつの間にか消えてしまった。
ていうか、いいのだろうか。奢りなんて。
少ししてから戻ってきた。ピンクと水色のカキ氷を持って。

「ハイ!」

「いくらだった?払うからー…」

「いい!!今日の記念!」

そう雄太は拒否すると苺のカキ氷をアタシに渡して、ブルーハワイのカキ氷を食べ始めた。
5分ぐらいしてから雄太は苺をちょこちょこ貰うようになった。


夏祭りで一番好きなのは花火。
好きな人と花火を見れるなんて、今思えばロマンチックだなぁと思う。

時計の針が30度動いて9時を指した。
毎年この時間に花火が打ち上げられる。

花火の打ち上げが始まった。

勢いよくはじける火薬の音、その音が好きで好きでたまらない。

「うわー…綺ー麗…」

「うん…」
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