明日へのメモリー

 彼の携帯番号を知っていて、いつでも電話やメールできることが、すごい秘密を知っているような気がした。

 お家に遊びに行きたい、とか、ドライブに連れてって、と、何度も甘えるようにお願いしてみた。

 でも、彼はただ微笑うだけだった。

「お子様はお子様同士の方がいいだろ? その方が楽しめるって」

 どうせ『お子様』よね……。

 そのたびにがっかりして、わたしは膝を抱えてぷっと頬を膨らませた……。

< 12 / 71 >

この作品をシェア

pagetop