鈍感ガールと偽王子
「いやー…、ちょっと、色々ね」
「もしかして、今年はクリスマス独りなの気にしてんの?いつも一緒の里奈がラブラブハッピーだから」
沙奈の指摘は外れているようで的をかすっているような。
たしかに、それもあるし。
「うーん」
「なんだ、そんなこと!?じゃああたしと一緒に合コン行こうよ!丁度もうひとり探してたんだよね!」
沙奈がノリノリで誘ってきた。
合コンかー…。
行っても己の無力さをかみしめるだけなんですよね…。
でも、ひとりよりはマシかもしれない。
それに、いつまでもこんな性格じゃだめだ。
椎葉くんとは普通に話せたんだし、きっとあたしだってできる!
「……うん、合コン行く!」
「ホント!?よーし、じゃあ一緒にいい男ゲットしようねっ!」
がばっ、と勢いよく沙奈はあたしに抱きついて、そう言った。
「そうだね!ガンバろー!」
なんてあたしも頑張って明るく笑顔を作った。