鈍感ガールと偽王子



だって、あたしの隣で気持ちよさそうに二度寝を開始した、この、男。


信じたくないけど、間違いなく、男。



……服、着てないんですけど…?




「き、きゃあぁぁあぁっっ!!」



「うわあああぁっ!!な、何だよ!?」




あたしの叫びで目を覚ました男は、驚いた様子で身体を起こした。



布団で上半身しか見えないけど、やっぱり何度見ても裸…!



ていうか誰なのこの人!!



「なんで裸なの!?」



あたしはきゃあ、と顔を手の平で覆って叫んだ。


 
「はあ!?お前に言われたくねぇよ!!」


「は!?何、言っ、て…」




あたしはそこで妙に解放的な自分の身体にを視線を移した。




……なっ…!!



「きゃあああああーーっ!!」


「うるっせーな!!」



いちいち叫ぶんじゃねえよ、と男は呆れた顔で言っていたけど、あたしはそれどころじゃない。



真っ赤になって、急いで掛け布団を掻き合わせて自分の身体を隠した。


なんで!?


なんであたし、何も着てないの!?



頭の中は爆発寸前まで混乱していた。



< 3 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop