鈍感ガールと偽王子
だって、あたしの隣で気持ちよさそうに二度寝を開始した、この、男。
信じたくないけど、間違いなく、男。
……服、着てないんですけど…?
「き、きゃあぁぁあぁっっ!!」
「うわあああぁっ!!な、何だよ!?」
あたしの叫びで目を覚ました男は、驚いた様子で身体を起こした。
布団で上半身しか見えないけど、やっぱり何度見ても裸…!
ていうか誰なのこの人!!
「なんで裸なの!?」
あたしはきゃあ、と顔を手の平で覆って叫んだ。
「はあ!?お前に言われたくねぇよ!!」
「は!?何、言っ、て…」
あたしはそこで妙に解放的な自分の身体にを視線を移した。
……なっ…!!
「きゃあああああーーっ!!」
「うるっせーな!!」
いちいち叫ぶんじゃねえよ、と男は呆れた顔で言っていたけど、あたしはそれどころじゃない。
真っ赤になって、急いで掛け布団を掻き合わせて自分の身体を隠した。
なんで!?
なんであたし、何も着てないの!?
頭の中は爆発寸前まで混乱していた。