鈍感ガールと偽王子
あたしはがばちょと布団をかぶった。
落ち着け、落ち着くんだ。
あたしはこんな絶叫キャラなんかではないはずだ。
うん、断じて、違う。
「…そうだよなー、昨日はもっとこう、大人しそうっていうか、清楚な感じだった気がするんだけど」
布団の外でそう声が聞こえ、あたしは慌てて顔だけ布団から出した。
「な、何で」
「いや、お前声に出てるから」
「!!」
な、何!?
あたしは決してそんな心透け透けキャラでもないはずだ…!
驚きのあまり、あたしはその時余程馬鹿っぽい顔をしていたんだろう。
男はぷっと吹き出して、いきなりあははと笑いはじめた。
ぜ、全裸(おそらく)で爆笑する男…!
なにがツボに入ったのかは知らないけど、いつまでも笑い続ける男を、あたしはぽかんと見ているしかなかった。
……ていうか。