恋するキミの、愛しい秘めごと
けれど、前夜の誓いも虚しく……。
次の日からは、カンちゃんのキャラクターについて榊原さんと話す時間もないくらいの忙しさが待っていた。
「南場さん、2番に外線だよ。東南海洋大学の笹川先生から」
「あ、はい! えっと……すみませんが、5分後に折り返すと伝えてもらっていいですか?」
「南場さーん。こっちも電話!」
「はーい! どなたからだか分りますか?」
もう何だろう、この状態は。
自業自得と言えば自業自得なのだけれど、何せもう時間がない。
色々な所とやり取りをしているせいで、頭の中も、メモ用紙に書かれている事ももうゴチャゴチャだ。
電話を肩に挟んで会話をしながらメモを取り、開いているもう片方の手でファイリングされた資料をバサバサ捲る。
幸いな事に、アドバイスをもらおうと連絡をした先々で、面白そうな企画だと興味を持ってもらえて……。
「全力で協力させて頂きます」という言葉通り、朝からこんな状態がずっと続いていた。
「ちょっと日和、大丈夫?」
電話を切った私を心配そうに見上げる小夜に、「何とか」と答えて苦笑する。
若干無理はしているけれど、「大丈夫じゃない」なんて言ったところで仕事は進まないし。
担当は私とカンちゃんだから、他の人にお願いする事も出来ない仕事。
相変わらず掛け持ちで忙しくしているカンちゃんを頼るわけにもいかないから、とにかく私がやるしかない。
未だ心配そうに私を見つめる小夜に「ありがとう」とお礼を言って再び受話器に手を伸ばした。
忙しいけれど、もう少し。
このチャンスを物に出来たら、きっと自信にも繋がって、仕事がますます楽しくなるはず。
だからとにかく、今は頑張らないと。