LOVE BOX~光を探して~



そのまま時間は流れ、チャットルームは二人貸切状態のまま、朝を迎えた。



いくら仕事が昼からとはいえ……さすがにそろそろ寝なくては。



時計は朝の7時を指している。白み始めた窓の向こう、少しだけ知らない誰かと同じ想いを共有する事が出来た私は、癒されていた。



朝までの数時間。



普通の話もした。私の仕事の事。リュウジの学校の事。



顔が見えないから、実際に逢って利害関係が生じるわけじゃないから、そんな相手との会話がこんなに楽だなんて……知らなかった。



こんな関係も、オヤスミを言って電源を切れば終わってしまう。



もう……この広いインターネットの世界の中で出逢うことは無いかもしれない。



そう思うと少し寂しい。



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