LOVE BOX~光を探して~
駆けていた足をゆっくりにして……大きなレストラン街を有するビルの裏手にそっと廻る。
裏口駐車場の前に立つ一軒のビル。
ここはかつてライラが存在したビル。今は少し離れた広い店舗に移転したんだと風の噂で聞いた。
この場所で……救急車に乗って去っていくマサトを何も出来ずに見つめていた自分。
似ている……それだけで私に優しくしてくれるマサトの手を離せなかった。
本当は嫌だった?
いつもケンを重ねる私に、一度も怒る事の無かった優しいマサト。
そんな優しさまでが一緒だから……許して下さい。
あの頃、アナタの存在が無かったらきっと、もっとボロボロだったね。
抱き締めてくれた腕の温もり、絶対に忘れないから。
本当にありがとう。