お嬢様の秘密Ⅱ
「私がどうして1週間前みなさんの前で騒ぎを起こしたか分からない?私があなたの素性を話せば、あなたは諦めて学園を去る。

本当はそうなって欲しかったんだけど、戻ってきた場合のこともちゃんと考えておいたわ。

お母様は規則に従って1週間の猶予を与える。ただの一生徒の騒ぎだったらそれまでだけどことの発端は私。そう簡単には治らない。

だから学園も休みに生徒を家に帰した。………もぬけの殻の学園は調べたい放題だったわ。」


………全ては計画のうち。


「私が住んでいる場所がゴールド宮だったとはね………。盲点をつかれたわ。

ランク制度が復活するときは生徒自身が自分の手でバッチをはめるとき。廃止になるときは生徒自身がバッチを壊すとき。

過去の封印は解かれてしまったようね………。」


口伝えで教えられてきてもどこかで情報が曲がってしまうんだろうか。


「先代の学園長はGランクを復活させないようにゴールド宮に住み、これを守ってきたみたいね。」


真理亜様は自分の手でバッチを付け替えた。


「あなたは私が建物の方を探していると思っていたけど、今のフラワー宮で十分満足してるのよ。

これで………Gランク復活、秋本家の後継者は………私。」


車椅子から立ち上がり、私にとどめの一言を刺した。


「勝てるものなら私に勝ちなさいよ、ユリ。」


…………真理亜、様は本気で喧嘩売ってきた………


私は睨み返すことしか出来なかった。



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