お嬢様の秘密Ⅱ
着いた場所は………


「ここどこ?」


西側に随分と立派な建物。


「私の屋敷………。」


私の背後でシルバー様が訝しげに声を出した。


「そうよ、お母様。あなたの屋敷の離れに位置する建物よ。」


「いつも見ているから分かっているわ。こんな近道があったとはね。………ここに連れてきて何するつもりなの?」


「実はね………こんなものを発見したのよ。………もう10年はかかったわ。」


真理亜様は握っていた手をゆっくりと開いた。






「こ、これって………。」


『Gランク バッチと屋敷の証明書』


「そういうことだったのね………。」


シルバー様は膝の力がカクンと落ちた。


「お姉様。これに何の意味が?………Gランクは廃止でしょう?」


「………あなたは馬鹿なの?」


勝ち誇った笑みを浮かべて生徒たちの方を見た。


「賢いあなたたちならこの意味はお分かりよね?」


バッチを見て驚いた顔をした生徒たちは次々に跪いた。


「頭が高いわよ、ユリ。夏菜さんも。そんなに家を潰したいの?」


そう言われたら頭を下げるしかない。


夏菜の悔しそうな顔は見ていられない。

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