お嬢様の秘密Ⅱ
「………私の孫が何かしましたか?」


………この声は………。


会場は私たちに注目し、声の主に気づいた人が慌てて礼をしていく。


「なんなのおじいさん?そうよ、あなたの孫が私にぶつかって料理がかかってしまったみたいよ。」


あたりは騒然となった。


女の子たちは何一つ気づかない。


「葵様に近づくからいけないのよ。親戚ならちゃんと躾るべきじゃないの?」


「………謝るのはお前らだ。」


さっと葵が近づいてきた。


夏菜と玲央は離れた場所で見守っているのが見えた。


「お前らいい加減にしろ。ぶつかったのなら少なくともお前らにもかかっているはずだろ?」


「それは!………着替えたのよ!」


……なんていう嘘を………。


葵は声の主に向かって最敬礼した。


「………秋本会長、いかがなされますか?」


「あ、秋本………!?」


駆けつけてくれたのはお祖父様。


もうこの子たちは終わりだ。


「………モデル事務所に連絡した。今後一切芸能活動なぞ出来ないだろうな。」


怒りを浮かべた笑みはかなり怖い………。


反対に私には優しい笑顔を見せてくれた。


「さあ、帰ろうか、ユリ。………この際皆に言うておく。この子はわしの孫だ。」


騒然とした中、私はお祖父様にお姫様抱っこされた。


「葵君、夏菜さん。行くぞ。玲央は手続きを。」


「かしこまりました、大旦那様。」


私たちはその場を後にした。
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