お嬢様の秘密Ⅱ
-大樹side-


「親父、なんで俺呼んだんだよ?」


少しだけ日本に滞在しろと言われた日、小学生だけ通っていた裃に顔を出してからすぐに本社ビルに行き、親父に会いに行った。


「お前の婚約が決まりそうだ。」

「は?」


婚約?


そりゃ、いつかそう言われる日が来るとは思っていたが…


「西月家のお嬢様だ。裃に通っているそうだが…」


「あぁ。あの子か。今日会ったけど?」


「恵梨香さんに会ったのか。噂では少し前からいじめられてるとのことだが何か分かったか?」


「なんとなくその雰囲気は分かったけど…。


親父、何で急に婚約話持ってきたんだよ。」


「西月家といえば、それなりの家柄。お受けしても問題なかろう。」


校門で整列していた時、確かに学園長の隣にいたな…。


「しかしまだ本格的に承諾したわけではないから、学園で見極めなさい。」


それで俺を呼んだのか…


「心に決めた人と結婚してもいいが、少しは家のことを考えることだ。」


親父は最近近寄りがたい雰囲気を出すようになってきた。


俺も苦手なんだよな親父。


なんか隠してる…そんな気がする。


どうせすぐにフランスに戻るんだし、適当に2ヶ月潰すか…。
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