お嬢様の秘密Ⅱ

友達

今日から始業日。


わたしはふうっと息を吐いてドアを開けた。


「ごきげんよう、皆さん。」


ホームルームが始まる少し前だったからほとんどの人が集まっていた。


「ユリ!!おはよう!」


夏菜は笑ってわたしに抱きついてきた。


「………痛いよ、夏菜……。」


「元気になってよかった………。」


自然と拍手が湧き起こった。


「ユリ様、お久しぶりでございます。」


「デュエルのご勝利おめでとうございます!」


挨拶くらいしか面識がなかった人………男女問わず集まってきた。


「ユリ様。久しぶり。」


「………理穂?」


胸元のポケットには金色のバッジが光っていた。


「………編入試験の成績が良かったの。………あの仲良くしてくれませんか?」


不安そうに私を見つめる瞳に純粋さを感じた。


「………それは許可を取るものじゃないでしょ。」


私は理穂の右手をつかんで握手した。


「………満足?」


「………うん。」


「ユリが優しくてよかったわね、理穂。ほら私とも。」


私と理穂の手に夏菜も手を乗せた。


誰からともなく笑い始めた。


和睦できてよかった………。
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