お嬢様の秘密Ⅱ
「………ごめんな、心が狭くて。」


私は葵の腕を引っ張った。


2人ともバランスを崩して………気づけば葵が私の上に乗っている形になった。


「………お前この体勢の意味分かってるのか?」


「………私が誰のものか刻みつけるって言ったのは葵だよ?」


ちょっと顔を赤くした葵が起き上がって私を腕に抱きすくめた。


「なんか反則。」


拗ねて違う方向向いたけど……顔赤いな。


私にテーブルの上にあったチョコレートを口移しで食べさせると上機嫌になった。


あ……でもなんか頭がクラクラしてきた………。


ボーッとし始めた私は葵に寄りかかった。


「葵、もう一個ちょうだい?」


「はい。これ気に入ったのか?」


「おいしい………もう一個。」


「はいはい………。」


苦笑いしながらも食べさせてくれた。


うん、だいぶ葵の機嫌も直ったかな?


「葵………遅くなったけどあけましておめでとう。」


「ああ。よろしく。」


葵からもらったキスはチョコレートの甘い味だった。


何度も何度も口づけし合ううちに私は疲れて寝てしまった………。
< 311 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop