お嬢様の秘密Ⅱ
広大さんに紅茶を淹れてもらい、のんびりしていた。


「広大さん………。いつもありがとう。」


「急にどうなされたのですか?」


「………大変なこと押し付けちゃってさ。私の計画通りに。」


あれは行動が自由にできてかつお祖父様たちに簡単に会える人じゃなきゃ出来なかった。


お姉様を観察するために理央を手放したら私の執事がいなくなるし……。


「お嬢様に協力するのは損得勘定じゃないんですよ。」


「え………?」


「理央を自分の気持ちと真剣に向き合わせ、自分に害を与えた人でも広い心で受け止めて。

そんなお嬢様をお守りしたかったんです。」


そんな風に思ってくれていたの………?


「この先、会社を継ぐと様々な計画でことを進めていきます。何が正解なのかわからないまま突っ走っていきます。

今回の件はある意味でお嬢様の将来性を誠一郎は試したのかもしれません。」


「そうだね。お祖父様だったら強硬手段で事を収めちゃうもんね。だけど今回はそれが出来ないよね。」


「本当にあいつはお嬢様を可愛がっておりますからね。もちろん私も孫のような気持ちです。」


おかわりの紅茶を注ぎ、新しいコップを出した。


「あら、誰か来る予定あったかしら?」


「………お嬢様。」


一瞬呆れた目をされたんだけど………?



< 315 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop