お嬢様の秘密Ⅱ
「じゃあ職員室にも寄ったし、そろそろ行かなくちゃ。」


思いのほか職員室で長居してしまい急いで校舎の北側へ向かった。




―私は人を待たせているとき周りを全く見なくなる





幼なじみだからこそ知っていたんだろうね。


私は尾行されていることも監視されていることも全く気付かなかった.....。





「えりー?どこ?着いたんだけど。....まだ来てないってことないよね....。」


指定された場所に着いたのはいいんだけど肝心のえりーが見つからない。


とりあえずあたりを探していると....。





「助けて....!!」


えりーの声?


後ろを振り返ると襟を掴まれ首が締まりそうになっているえりーとそれをニヤニヤしながら見ている女子グループを見つけた。


なんで?


えりーは半年以上標的にされていないし、私が標的のはずでしょ?


しかも私ですら物理攻撃は最近くらっていないわよ。


「何してる....の?」


「りー....来なくていいから.....」


来なくていいって.....。


見過ごせるわけないわよ。


私は急いで駆け寄って襟を掴んでいる女子生徒の手首に手刀をいれた。


「....いった!何すんのよ。」


「あなたこそ何してるの。」


この子たちは権力的にいったらまずまずってところかしら。


少なくともえりーの足元には及んでいない。





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