お嬢様の秘密Ⅱ
-友香里side-


「学園長様。お久しぶりでございます。」


あの後、莉依紗の隣にいた男の子が莉依紗を抱いて、言われた通り校長室へ行った。


校長室を知ってるってことは先輩なのかな………?


すごくかっこいいんだけど………見たことがない。


「雷也、どうした………って莉依紗様大丈夫なのか………。」


校長室にいた先生もかっこいい……じゃなくて、この人と知り合いなの?


莉依紗って一体………。


「雷也、まずお嬢さん方に自己紹介するのが基本じゃないか。」


「そうですね。………お嬢様がお倒れになるのは想定外でしたので。

渚様、友香里様。莉依紗お嬢様の執事である桜井雷也です。挨拶をしなかった無礼をどうかお許しください。」


「いえいえ……そんな!!」


「そうですよ、莉依紗が倒れてしまったから運ぶのが先ですよ!!」


私、渚と謝られてしまい、必死になった。


「雷也、お嬢さん方お困りじゃないか。事情を知りたいのは山々だと思うが、今日は入学式だけだから今から教室に行って終わったらここへ来なさい。」


「「分かりました。」」


莉依紗が心配だけど………ここはお任せすることしか出来ないわ。






「友香里………莉依紗大丈夫なのかな。」


「大丈夫………たまたま疲れていただけじゃない?」


私も渚も文通していた時は小学校の頃のように話していたし、同窓会も来ていたし。


だけど不思議なのよね。


恵梨香と莉依紗と私たちはずっと仲良くしていたのに、いつの頃からか恵梨香との付き合いが悪くなっていったように感じたの。


恵梨香は、どこか人を見下すような態度を取っていた時があった。


「友香里がボーッとしている間にクラスを確認してきたよ。…………一緒だったよ!!もちろん莉依紗も!!」


「やった!!」


クラスを確認し、急いで体育館へ向かった。

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