お嬢様の秘密Ⅱ
「続いては担任の先生方の発表に移ります……。」


そろそろ式は終わりに近づいてきた。


私は6組だから………。


「6組、安藤隆治。以上で担任紹介は終了します。」


あれ?


あの人………さっき校長室にいた人!?


校長室って校長先生が使う部屋じゃないの?


あの人なんであんなに自由に………。


安藤先生を凝視していたら一瞬目が合い、驚いた顔をされた。


ん?何か口パク………。


「これが終わったら解散だから至急校長室へ………だってさ。」


隣にいた渚が読んでくれた。


結構距離あったのによく分かったな………。


そういえば渚は読唇術が得意だったっけ。


「これで第○会入学式を終わります。明日からの高校生活を充実させられるように頑張ってください。」


本当に自由な終わり方………。


この春日高校はこの辺りの高校では制服はマシな方。


まあ裃学園から見たら見た目も質もかなり劣るけど。


かなり自由な校風だとは聞いていたけど、入学式から現れている感じがするわ。


「友香里、何ボーッとしてるの。式終わったわ。行くよ。」


「え、ちょ、ちょっと待って!!」


しまった、余計なこと考えてた。


私は渚に引きづられるようにして、校長室へ向かった。

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