お嬢様の秘密Ⅱ
「失礼しまーす………。」


そっと入り、ソファの方を見るとまだ莉依紗は寝ているみたい。


「入学式はどうでしたか?お二方、どうぞお座りくださいませ。お好きだとお聞きしたのでココアを淹れました。」


「「ありがとうございます………」」


雷也さんが淹れてくれたココアはとても美味しかった。


にしてもこんな美形な人にこんな対応されるとドキドキしちゃう。


「大樹………。」


ふと莉依紗の方を見ると寝言を言っているみたいだった。


「お嬢様は寂しいんでしょうかね………。」


雷也さんもポツリと呟いた。


「雷也さん………?」


雷也さんの横顔はどこか寂しそうだった。


「そういえばちゃんとした自己紹介をしていませんね。

私は桜井雷也。莉依紗様の執事をしております。学年はひとつ下なのですが、すでに大学を卒業しておりますので問題ございません。」


え?一個下なの!?


年上だと思ったのに!!


「あの………莉依紗の家って確かに見たことないけど執事がいるような………そんなお金持ちだというような話は聞いたことないんですけど………。」


訝しげに渚が聞いた。


確かに、そうだ。


恵梨香の家はかなりの金持ちだって聞いたことあったし、小雨が降っただけで大きい車が迎えに来たのを覚えている。

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