お嬢様の秘密Ⅱ

帰国、そして学園へ

2年後。


「じゃあね、また連絡するね。」


春休みも終わり頃。


私は裃学園に戻ることになった。


精神的にも落ち着いたのと…………大樹が帰ってくるから。


私の家の前まで友香里と渚が見送りに来てくれた。


私の家を見て腰抜かしそうになっていたのは見なかったことにしよう………。


「じゃあね、すぐに連絡してね。」


友香里が心配そうに私を見る。


「ちゃんとするから安心してよ、友香里。雷也は連れて行かないといけないのはごめんね。」


そう。


いつの間にか雷也と友香里は付き合うことになったらしい。


美男美女でお似合いで絵になるんだ。


「すぐ連絡するから出ろよ、由香里。」


………主人の前で見せつけるとはいい度胸してるわね、雷也。


渚は中学校からの彼氏と仲良くしているらしい。


何回かあったけどなかなかのイケメンだった。


「それとね、莉依紗。」


渚が神妙な顔をしてこう言った。


「逃げちゃだめ。立ち向かわなきゃ。」


…………え?


「じゃあね。」


渚が手を振り返した時、ちょうど私を乗せた車は出発した。


渚って昔から不思議なこと言う子だけど………


今のってどういう意味で言ってくれたんだろう………。
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