お嬢様の秘密Ⅱ

「りい！大丈夫か！！」


駆け寄ってきたのは………大樹。


立っていてバランスを崩しかけた私を大樹が支えてくれた。


「大樹………？今日は仕事じゃなかったの………？」


「ああ。確かにそうだが今日の仕事は今の状況になったときのためのものだ。

俺と桜井兄弟おらず、国松だけになったときを狙っているとは分かっていたが、まさかすぐに行動を起こしてくるとは思わなかったよ。」


「大樹様………。なぜそのような女を………。秋本家であろうお方がそんな一般人と仲良くしていてよろしいの？」


恵梨香って本当に私のこと知らなかったんだ………


「ふ………秋本家の婚約の儀である、婚約者は定期的に行為を行う。あれをやったくらいでいい気になってんじゃねえよ。」


行為って……


まさか…………


「大樹………？」


「秋本家の古臭い事情は後で説明するから。」


大樹を信じよう………


「そもそも婚約を強要してきたのはお前たち。さらにお袋を襲い、親父を精神的に追いつめた。

もうお袋の件は証拠をつかんでいるし、婚約書は真っ赤な偽物。」


「なんで！？あなたの手でハンコは押されたじゃない！」


「だからそのハンコはスーパーで買ってきた偽物。婚約なんて初めから存在してねえよ。」


「…………そうだったの………。でも！秋本家に資金提供しているのはうちよ！」


「お前は馬鹿か。西月家………自分の家が没落していってることを知らなかったのか？」


そうだったの？