お嬢様の秘密Ⅱ
「没落ですって………?」


大樹のこの発言にはクラスの子も驚きを隠せないでいた。


「西月家がまさか………。」


「うちの会社も支援してもらっていたはずよ。だからいつも恵梨香様にお味方していたのに……。」


「そうよ……。うちは代々西月家様様だったわ。今我が家が一般費ではなく特別費を払っていられるのは西月様のおかげよ!」


だから恵梨香の味方が多かったのか………


「お前の家、会社には悪い噂が立っていた。その噂を俺の親父が聞いた頃、業務提携を依頼してきた。

秋本家としては噂が立つ会社とは手を結びたくないから当然調べた。


驚いたぜ、脱税、横領、密売………。これでもかってほどごろごろ出てきた。


こっちの証拠もつかんで提出しておいたから明日のニュースの一面はお前の親がどアップで写るんじゃないか?」


「嘘よ………嘘よ………そんなわけないじゃない!!」


「親に言われるがままお袋に強めの睡眠薬を飲ませたんだろ?婚約を成立させる代わりにやれとな。

まあ………お前は睡眠薬とは聞かされていないだろうがな。

自分の家の状況を全く聞かされていなかったのか?」


顔面喪失になった恵梨香。


「違う………嘘よ…………。」


もう聞く耳は持っていなさそう………。


昔の私ならどうしただろうか………


今の私はっきりとした証拠がある以上、ちゃんと罪を償ってほしい。


あんな優しいお母様を病院送りにしたんだから………!


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