REAL-リアル-

再会の春* 竜side

「おーい竜」


「ん?」

ちょっと遠くに俺の友達がいる


「竜っ早く来いよ」

「おめぇが速いんだよっ
そんなに熟女探したいのかよ」

“熟女”


「うるせぇー」






熟女なんてそんな変な趣味はない




中学校の時
彼女がいなくて
いつしか
「熟女が好きなんじゃないか」って噂がながれた



彼女がいないだけで
そんなこと決めつけないで欲しい






俺は
先へとどんどん歩いてくる




「ちょっと待てよ
冗談だよっ」





三浦 竜


俺は
1年4組
つまり頭が悪い



まぁ
小学校からずっとこの頭だけど








「なんで三浦、彼女つくんねぇんだよ」


知らねェ


「お前かっこいいのに」



「その言葉そのままお返しするよ」

俺のダチの智


俺と智は小学校からのダチだ


そして
学年1ぐらいのカッコよさ



カッコイイのは男の俺から見ても分かる

二重で背が高くて
運動神経抜群

こんなにいい人はいないだろう



まー
彼女がいるけど



彼女と一緒に勉強して
なんとか
一緒の高校に入れたらしい



クラスは2組だから
少し離れている











俺ら2人で歩いてると
女子たちが騒ぎ始める




そんなのもう慣れっこ



「今日は彼女さんと帰るのか?」


「いや
竜と帰るよ
てか、まだ終わんないって言ってたし」

すこし
しょぼくれてる智


ほんと彼女が好きなんだな


まー
中学から
お似合いだったし





桜が舞い始めた
俺はすごいウザったかった




俺も彼女つくろうかな・・・
作れば
熟女なんて言われなくなるか?



でも
そんなに俺は安い男じゃない



チャライのは見た目だけで十分


耳のピアスが揺れ
茶髪の髪を掻く




「あっ」


そこにいたのは

すらっとした細い女の子




桜の中の女の子


黒髪が
ふわふわ揺れている
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