好きだから。
教室に戻ると友達が声をかけてきた。
「お前、好きなヤツいたのかよー。俺にぐらい言えよな」
「別に聞かれてないし」
「流石、クール王子」
「止めろ、それ」
「はいはい。っで?」
「何?」
「誰な訳?」
「何が?」
「もぅ、焦らすなよ!!お前の好きな人!!」
「言わねぇよ」
「ひょっとして照れてる?」
「…………」
「黙っちゃってー、こんなのファンが知ったら泣くねぇ~」
「勝手に泣いてろ。だいたい、ファンとかうぜー」
「お前そうとう溺愛してんのな(笑)」
「うるせぇーよ」
珍しく弄られているとケータイが鳴った 。
「はい、もしもし?」
「…………」
「もしもし?」
「…………いきなりごめん」
「っ!!おい、今どこにいる?」
僕には名前を聞かなくても直ぐにキミだと分かった。
「…………。」
「おいっ!キミだよな?今どこにいるんだよ?、!!」
「…………優」
「っキミ?どこにいるんだ?」
「……………………助けて」
「キミ!!!しっかりしろ!」
「…………家、いる」
「家か?家だな?今すぐ行くから。」
急いで電話を切った。
「どーした?」
尋常じゃない僕の様子に心配そうに尋ねた。
「わりぃ。ちょっと帰るわ。先生に言っといて」
「えっ…………あ、おい!」
そんな呼びかけにもムシして走りだした。
何があった?
キミは何があっても泣かないだろ?
そんなキミだから、僕は心配なんだ。
なんでも、一人で抱え込もうとするだろう?
いつか、キミが壊れちゃいそうで心配で堪らないよ。
だからキミが悩んでる時は僕が一番に気付いてあげたいってずっーと思ってた