小さな宝箱

温かな膝の上

今あたしは彼氏であり、幼なじみの慧の家にいる。


想いが通じて半年……両親もあたし達の関係を許した。


「なぁ〜〜麻耶。」

「ん〜?」

お菓子を食べながら、慧のベッドにもたれかかる。

「ちょっとコッチに来て」
そう言いながらニコニコ笑う。

コッチというのは、慧の膝の上。ポンポンと自分の膝の上を叩く慧。

「ムリムリムリムリムリムリ!あたし重いし、それに……それに……恥ずかしいよぉ……///」
急に顔が熱くなる。

「いいから早く!」

そう言って、あたしを座るように促す。

あたしはしぶしぶと座る。てか慧からお願いされると、断れない。


あたしが膝の上に座るとギュッと抱きしめる。

いきなりのコトで体温が上昇する。

「ちょっ…!!慧!?」

「麻耶ぁ……ちょー温かい。」


そう言って慧は小さな寝息をたてはじめた。

「えっ?ちょっ…慧!慧!慧さぁん!」


反応なし。


はぁ〜…とため息を吐く。そーいえば最近春の大会やら何やらで忙しかったからなぁ……。


久々に二人でゆっくりしている。

疲れてるんだ…

あたしは慧の胸の中に顔をうずめ、瞳を閉じる。
慧の匂いがする。……この匂い好きだなぁ。落ち着く。


慧の寝息につられ眠くなってきた。

慧のシャツにしがみつき夢の中へ――――



慧の膝の上は好き。あたしだけの特等席。あたしだけの特権。

いつまでもこの関係が終わらないように願ながら、貴方の温もりにつつまれて――――
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