スーツを着た悪魔【完結】

まゆは呼吸を乱しながら、そのまま膝から床に崩れ落ちた。



「――なん、で……だって?」



深青はギュッと眉根を寄せ、肩で息をするまゆを険しい表情で見下ろす。

その表情は酷く苦しそうで、たった数日で彼の御曹司然とした容姿を酷くやつれさせているようだった。


まゆの両腕は深青に掴まれたまま。
呼吸をすることも忘れ、彼を見上げた。


どうしよう……

こんな顔をさせるつもりなんてなかったのに……



「好きで好きで、気がおかしくなりそうだ……」



深青はその手に力を込め、まゆの前にひざまずいた。


心底苦しそうな、身を絞るような声に、胸が切り裂かれるような痛みを覚える。


まだ彼が自分を好きと言ってくれることが信じられない。


あんな風に彼を傷つけたのに……。どうして?


呆然と自分を見上げるまゆを見下ろし、深青は唇を歪めた。



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