スーツを着た悪魔【完結】
深青の家……
深青や未散さんが育った、あたたかい家庭。
どんな風なんだろう……
行ってみたい。
書店でナルニアの思い出を語られた時は、嫉妬で目がくらんだまゆだったが、心が落ち着いた今はそうは思わなかった。
「近いうちに、家に招待する」
「え……あの、」
招待?
まゆはひどく混乱して、口ごもる。
「そもそも、本家の当主に会わせたくて、ここに連れてきた」
深青の言葉に、昼間お会いした豪徳寺家当主の雅な姿が脳裏に浮かぶ。
「騙すみたいで悪かった。だけど最初からそう言ってたら、お前来なかっただろ?」
「――そう、かも」
うなずくまゆ。