スーツを着た悪魔【完結】

深青の家……

深青や未散さんが育った、あたたかい家庭。


どんな風なんだろう……

行ってみたい。


書店でナルニアの思い出を語られた時は、嫉妬で目がくらんだまゆだったが、心が落ち着いた今はそうは思わなかった。



「近いうちに、家に招待する」

「え……あの、」



招待?

まゆはひどく混乱して、口ごもる。



「そもそも、本家の当主に会わせたくて、ここに連れてきた」



深青の言葉に、昼間お会いした豪徳寺家当主の雅な姿が脳裏に浮かぶ。



「騙すみたいで悪かった。だけど最初からそう言ってたら、お前来なかっただろ?」

「――そう、かも」



うなずくまゆ。


< 368 / 569 >

この作品をシェア

pagetop