スーツを着た悪魔【完結】

「お前はダメじゃねえよ」

「でも……」

「完璧な人間なんていない。でも、そういう意味じゃなくても、お前はダメな子なんかじゃないし、まゆはまゆだ。俺はお前が……まゆが本当に好きだよ」

「――」

「まゆ……?」



無言で黙り込むまゆに、胸騒ぎがした。



「どうした?」



出来るだけ優しく声をかけると――

まゆは呆けたように、深青を振り返り見上げている。



「――た……」

「ん?」

「初めて、言われた……」



まゆの漆黒の瞳が、みるみるうちに潤んでいく。

そしてできた大粒の涙が頬を伝って落ちる。



< 404 / 569 >

この作品をシェア

pagetop