スーツを着た悪魔【完結】
「お前はダメじゃねえよ」
「でも……」
「完璧な人間なんていない。でも、そういう意味じゃなくても、お前はダメな子なんかじゃないし、まゆはまゆだ。俺はお前が……まゆが本当に好きだよ」
「――」
「まゆ……?」
無言で黙り込むまゆに、胸騒ぎがした。
「どうした?」
出来るだけ優しく声をかけると――
まゆは呆けたように、深青を振り返り見上げている。
「――た……」
「ん?」
「初めて、言われた……」
まゆの漆黒の瞳が、みるみるうちに潤んでいく。
そしてできた大粒の涙が頬を伝って落ちる。