スーツを着た悪魔【完結】
「ダメじゃないって、初めて言われた……こんな私を、好きって、嘘みたい、ねえ、本当なの? だってわたし、ずっと……死んだほうがよかったって、ずっと後悔してたのに……っ……」
そしてそのまま、まゆは両手でくしゃくしゃに歪んだ顔を、両手で覆い、泣き始める。
深青は何一つ言葉が出なかった。
ただ喘ぐようにしゃくりあげながら泣き続けるまゆを、泣いてそのまま消えてしまいそうに見えるまゆを、抱きしめることしか、出来なかった。
――――……
それからしばらくして――
だいぶ落ち着きを取り戻した彼女の頬の涙を、深青は手のひらで拭う。
ふわふわした頬は涙ですっかり冷たくなっていた。
顔も真っ白だというのに、目と鼻だけ赤くて、本当にうさぎみたいだな、とそんなことを思う。
「――落ち着いたか」
「ん……」
まゆはこっくりとうなずいて、そのまま深青のシャツに顔を寄せる。
「ごめん……」