スーツを着た悪魔【完結】

「ダメじゃないって、初めて言われた……こんな私を、好きって、嘘みたい、ねえ、本当なの? だってわたし、ずっと……死んだほうがよかったって、ずっと後悔してたのに……っ……」



そしてそのまま、まゆは両手でくしゃくしゃに歪んだ顔を、両手で覆い、泣き始める。


深青は何一つ言葉が出なかった。


ただ喘ぐようにしゃくりあげながら泣き続けるまゆを、泣いてそのまま消えてしまいそうに見えるまゆを、抱きしめることしか、出来なかった。



――――……



それからしばらくして――

だいぶ落ち着きを取り戻した彼女の頬の涙を、深青は手のひらで拭う。


ふわふわした頬は涙ですっかり冷たくなっていた。

顔も真っ白だというのに、目と鼻だけ赤くて、本当にうさぎみたいだな、とそんなことを思う。



「――落ち着いたか」

「ん……」



まゆはこっくりとうなずいて、そのまま深青のシャツに顔を寄せる。



「ごめん……」




< 405 / 569 >

この作品をシェア

pagetop