スーツを着た悪魔【完結】
「悠ちゃん……!」
後ずさろうとした肩を悠馬につかまれたまゆは、そのまま体を背後のベッドに押し倒された。
「悠ちゃん、待って……!」
悠馬は終始無言だった。それがまゆの恐怖を余計に煽る。
暴れるまゆの四肢を器用に押さえつけると、彼女の首に巻きつけられていたストールを抜き取り、まゆの両手を頭の腕であっという間に縛り上げ自由を奪う。
足をバタバタと動かしベッドの上から逃れようとしても、悠馬は器用にまゆの足を抱え込んでしまって、動けなくなった。
あまりにも手慣れた様子になす術がない。
「待って……?」
ただ呆然と、自分を冷たい目で見下ろす悠馬を見上げるまゆの肩は上下に激しく揺れ、顔面は蒼白だった。
「僕は十分待っただろう。むしろ待ち過ぎた感がある。どうもダメだな、お楽しみはなるべく後にとっておきたいなんて、欲深いことを考えてしまったから――」