スーツを着た悪魔【完結】
ワンピースタイプのそれは、おへそのあたりまでボタンを外せばすぽっと脱げるようなタイプで、深青はそうやってボタンをすべて外すと、パジャマを引っ張り下げ、そのまままゆの背中をむき出しにしてしまった。
深青が私をうつぶせにしてくれたのは、きっと傷跡をさらすことにまだ私が抵抗することがわかっているからだろう。
何かを言う前に、また両手で深青はまゆの肩から、肩甲骨、背骨のラインをなぞっていく。
受けたことはないけれど、極上のエステってこんな感じなんじゃないだろうか……。
「まゆ……」
突然、深青が名前を呼ぶ。
耳元で響く彼の甘く低い声はただそれだけで震えるほど気持ちよかった。
そして、深青の唇は、まゆの耳たぶの裏を舐め、甘く噛み、舌を入れてくる。
「あ、あっ……」
ゾクゾクと何かが駆けあがってくる感覚。
今にも自分を見失いそうだった。