夢の欠片
そして私の耳元でそっと囁く。


「そんなに急いで大人にならなくていいから……」

「もっと子供らしくわがまま言ってもいいんだよ?」


二人からそう囁かれて、私は私がまだ中学生だったことを思い出す。


普通はもっと甘えたり、わがまま言ったりするものなんだろうな?


だけど環境がそうはさせてくれなかったのは確かだ。


二人の思いは有難い。


だけど今、私にはちゃんと甘えられる人がいる。


だから心配しないで……


そんな思いを胸に、私は二人に抱き締められながら、小さな声で「ありがとう」とお礼を言った。


二人にはまだ甘えられるところまではいってないけれど、そのうちそうなれたらいいと思う。


今はそれを全て翔吾が引き受けてくれているから大丈夫。


心の中でそう思いながら、本気で私を心配してくれてる父と愛未さんに改めて感謝した。



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