夢の欠片
私はただ、愛されたいだけなのに……


誰かに必要とされたいだけなのに……








三人目の父親が出て行って、また名字が藤森に戻ったのは、中学一年になったばかりの頃だった。


私は今まで何度となく変わる名字を特に気にすることなく、また藤森に戻るだけだくらいにしか思ってなかった。


でも、周りの子達は違ってた。


小学校が一緒だった友達は、私が何回か名字が変わったことを覚えていた。


思春期ともなると、そのこと自体も充分からかう対象になる。


何度も名字が変わると言うことは、母が男をコロコロ変えてると捉えられても仕方がない。


その意味合いも女子はともかく男子にとっては、冷やかしの材料にもってこいだった。


おまけに母親がそうなら、私までいろんな男とそういう関係になってるんじゃないかと噂までされた。


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