夢の欠片
母はそんな私の気持ちを察したように、さっきよりももっと晴れやかな顔で答える。


「もちろん、そのつもりよ?

それぞれの奥さんに、私はお礼を言わなきゃね?

ひなを優しく受け入れてくれたことも……

思い出したくない過去を、ひなにきちんと話してくれたことも……

お母さんはあなただけじゃなくて、いろんな人に迷惑をかけて傷つけてたのね?

それなのに……

私のこと心配してくれるなんて……

まったくみんなお人好しなんだから……フフッ」


そう言って笑った母は、なんだかいろんなことから解き放たれたように、とてもいい顔をしていた。


それから一ヶ月後――


なんとか式場の手配も出来て、私達は結婚式をあげることが出来た。


翔吾が見つけてくれた式場は、教会式でバージンロードってやつを父親に手を引かれて歩き、新郎に引き継ぐ儀式のものだった。


私はその父親役を中田の父にお願いすることにした。


父はすごく喜んで、嬉しそうに私にハグしながら引き受けてくれた。


その横で愛未さんもまた、涙ぐみながら喜んでくれていた。


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