夢の欠片
最初、どちらの父に頼むか悩んだけれど、健にはもうすでに新しい家族がいて子供だっている。


だから本当の父親であり、私以外に子供がいない中田の父に引き受けてもらうのが一番自然だと思ったのだ。


私は翔吾と一緒にそれぞれの父を訪ね、結婚の報告と、式に出席してほしいことを伝えた。


みんなとても喜んでくれて、花純美ちゃんには花嫁に花束を渡す役も頼んだ。


萌ちゃんと宏太先輩にも来てもらうことになり、私の方で呼びたい人はもう全て出席してくれることになっていた。


後は……翔吾の番だ。


お節介かもしれないけど、翔吾にもご両親と和解してほしかった。


「翔吾?あの……

翔吾のお父さんとお母さんにも来てもらおうよ?」


その話をするといつも翔吾は不機嫌になる。


でも私は今回だけは引かなかった。


「私は翔吾のご両親にも祝福してもらいたい

それに翔吾を産んでくれてありがとうって言いたいよ?

私の時もそうだったように、子供にはわからない大人の事情があったのかもしれないし……

私達が大人になった今、少しは気持ちがわかるかもしれないよ?」


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