もう、ひとりにしない。








「なかなか来てくれないから空振りかもな、なんて思ってたところだったからホッとしたよ。」


そう言って笑った顔は女の子がみんなイチコロになってしまってもおかしくない笑顔で、あたしもクラクラしてしまった。


こんな人が身近にいたことがなかったから、どう対処していいか見当もつかない。


突っ立ったままで目も口もあんぐり開きっ放しなあたしがおもしろいのかクスクス笑われてしまった。


うう~、へこんじゃいそう。


何か言って関心を変えないと!


「あの、カード拾ってくれてありがとうございました。無くしたときはもう、本当に焦ってしまって。」


その言葉に、そうだろうね、ペナルティー大きいからね、と返してくれた。


それにお互い笑った後、しばらくだんまりになってしまった。


「、、、、、。」


な、なんだろうな。


こんなにいい男が前だからかな、会話が続かない。


いつもだったらポンポンと何も考えなくても出てくるんだけど。




御礼も言ったことだし、もう暗くなってきているのもあったので、


「それじゃあ、失礼します。」


そう言ってその場を離れようとしたそのとき、


がっ!と腕を掴まれた。



、、、、痛い。



それとほぼ同時に感じた。


さっきまで纏っていた空気がほんの一瞬変わって鳥肌が立った。


ザワリ、とする。


「あ、あの、なにか?」


そう聞くと、





「昨日、どうしたの?泣いていたよね?」




、、、、、え?








< 144 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop