もう、ひとりにしない。

3rd Love or Like?









落としたIDカードと一緒にもらったレターに書いてあったG棟の一階入り口まで走って行って、それらしい人がいないか見渡した。


レターだけで顔なんて知らないから見掛けた人を片っ端から声を掛けようと思っていた。


入り口を出入りする人や、まだ残っておしゃべりしている人を、と思っていたけれど、もうほとんどが実験をおえてしまっているので、それらしい人を見掛けたりすることができない。


もしかしたら、呆れられて帰られてしまったかも、そう思い始めたとき。


「こっち、こっち。」


と言う声がして振り向いた。


「、、、、、。」


絶句してしまった。


だって、サマンサ達が言っていたように本当にイケメン中のイケメンだった。


そこには、ソニーと同じくらいの身長で、ダークブラウンの髪をした、物腰のスマートそうな男の人が立っていた。


ハリウッド・スターがいるんじゃないかってくらい驚いた。


近付くとその人はにっこり笑って、


「よかった、来てくれて。」


とほっとため息をついた。


その人の言葉に慌てたあたしは、


「すみません!だいぶ待たせてしまったみたいで。」


と謝った。









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