モカブラウンの鍵【完結】
「すみません。こんな変な会話」

「ううん。年が近いと、こういう風に会話できるんだなって。私の兄は8個上だから、こういうテンポある会話っていうより、大人と話している気分だったから。楽しそうと思って」


よかった。

うるさい姉弟と思われていなくて。


「ナオちゃん、お兄さんがいるんだ。やっぱり好きになる人って、年上が多いの?」

「ああ、比較的多いかも」

「じゃあ、年下とかはどう?」


姉ちゃん!! そんなこと聞かないでくれ。

年下は無理とか言われたら、俺、昨日の今日で玉砕なんですけど。


「年齢とかは気にしなかな。でも、場合によっては相手が気にするかもしれないけど」と言って、佐伯さんはちらっとこっちを見た。


その会話の流れでこっちを見られると、勘違いしそう。

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