モカブラウンの鍵【完結】
「仕事がまだ終わりそうにないの。今日、私の部屋に来る約束だったでしょ。だから、これ」
奈央美が差し出したのは家の鍵だった。
キーホルダーについているモカブラウン色のテディベアが俺をじっと見つめている。
テディベアを見て、思わず吹き出した。
「何で笑ってるの?」
「奈央美と顔が似てるなと思って。目の感じが特に」
テディベアを奈央美がしげしげと見つめ「私、もっと目、大きいもん」と言った。
何、張り合ってるんだよ。キーホルダーと。
「俺はかわいいって褒めたんだけど」
奈央美は顔を真っ赤にして「仕事に戻る」と言って、会議室を出ようとした。
「待って。何時頃、帰ってこれる?」
「仕事が終わったらメールする」
「うん。夕飯作って、待ってるよ」
奈央美が会議室を出たあと、キーホルダーをもう一度眺めた。
やっぱり、似てる。
この顔は俺に抱き付く瞬間の顔だ。
あとコーヒー牛乳を飲む時の顔。
鍵をポケットにしまい、俺も会議室を出た。
奈央美が差し出したのは家の鍵だった。
キーホルダーについているモカブラウン色のテディベアが俺をじっと見つめている。
テディベアを見て、思わず吹き出した。
「何で笑ってるの?」
「奈央美と顔が似てるなと思って。目の感じが特に」
テディベアを奈央美がしげしげと見つめ「私、もっと目、大きいもん」と言った。
何、張り合ってるんだよ。キーホルダーと。
「俺はかわいいって褒めたんだけど」
奈央美は顔を真っ赤にして「仕事に戻る」と言って、会議室を出ようとした。
「待って。何時頃、帰ってこれる?」
「仕事が終わったらメールする」
「うん。夕飯作って、待ってるよ」
奈央美が会議室を出たあと、キーホルダーをもう一度眺めた。
やっぱり、似てる。
この顔は俺に抱き付く瞬間の顔だ。
あとコーヒー牛乳を飲む時の顔。
鍵をポケットにしまい、俺も会議室を出た。